正攻法以外の成功法

人生、ビジネス、成功。
どれもナイトクラブみたいなものだ。
常に3つの入り口が用意されている。
ファーストドア:正面入り口だ。
長い行列が弧を描いて続き、
入れるかどうか気をもみながら、
99%の人がそこに並ぶ。

セカンドドア:VIP専用入り口だ。
億万長者、セレブ、名家に生まれた人だけが利用できる。
それから、いつだってそこにあるのに、
誰も教えてくれないドアがある。
サードドアだ。
行列から飛び出し、裏道を駆け抜け、
何百回もノックして窓を乗り越え、
キッチンをこっそり通り抜けたその先に───必ずある。

ビル・ゲイツが
初めてソフトウェアを販売できたのも、
スティーヴン・スピルバーグが
ハリウッドで史上最年少の監督になれたのも、
みんなサードドアをこじ開けたからなんだ。

これが本書の導入だ。

著者は3つ目の扉を見つけ出し、実際にその扉を開いた。本書ではその実体験の過程を記している。

本書は成功までの紆余曲折の道程を細かく綴っているので冗長と感じる人も多いだろう。むしろ失敗談が大半を占めている。手っ取り早く成功体験のエッセンスを学びたいという人には向かないだろう。しかし言葉を裏返せば、苦悩と克服の過程や、行動の様子が克明に記されているので、自分ごとの経験として追体験ができるとも言える。小説や長編映画のような本だと割り切ってしまえば学びのあるエンタメとして非常に面白い。そして嬉しいことに世のすべての自己啓発書で紹介されているような内容は全て網羅されているのではないかと思われるほどに、本書で語られる知見や助言の中身は濃密だ。

著者自身の成長の物語というリアリティあふれるストーリーへの没入感を楽しんでほしい。

多くの場合、夢をかなえようとするときに一番難しいのは、夢をかなえること自体じゃない。計画もないままに未知の不安をくぐり抜けることの方がずっと難しいんだ。  こうしなさいと言ってくれる先生や上司がいた方が、ずっと楽だったりする。でも安心にあぐらをかいてちゃ、夢をかなえることなんかできない。

若いビジネスパーソンに一冊のビジネス書を選ぶとしたら、ぜひ本書を選出したい。

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