ホキ美術館

美術館における鑑賞体験は作品のある展示室だけではない。美術館建築から芸術をとりまく環境は始まっている。今回はホキ美術館を訪ねる。

JR外房線。ボックスシートに座り、旅情を楽しみながら土気駅へ。

土気駅から徒歩20分ほどの住宅街に前衛的な建築物理が忽然と現れる。

建物とエントランスへの導線を区切る鉄柱は隣接する昭和の森の杉並木とリンクするように計算して設置されている。

建物は、国立西洋美術館の目指した螺旋構造を彷彿とさせる回廊型の構造で、3層に分かれている弓なりの館内約500メートルを下っていく作りになっている。

出典:大林組

敷地の裏からすぐに昭和の森へアクセスできる自然豊かなロケーション

なんと展示室の約30メートルほどが宙に浮いた作りになっている。
しかし優れた制振工法により館内で鑑賞している限りではこの構造に気がつかないだろう。

このホキ美術館は、国内唯一かつ世界でも稀な写実絵画専門の美術館を標榜している。

実業家の故保木将夫が収集した日本の写実絵画の第一人者である森本草介氏を筆頭に、野田弘志氏、中山忠彦氏など巨匠から若手までの現代作家の作品約500点のコレクションをはじめ、若手芸術家の発掘と育成を目的に公募も行っており、まさに駆け出しの作家にとっての目標ともなっている美術館といえる。

写実絵画とは、その名の通り対象を忠実に描くことを極限まで追求した作品であるが、本館で写実主義を探求する日本人作家の作品を見れば、その印象は驚嘆とともに大きく変わり、絵画アートの奥深さを目の当たりにするだろう。

美術館建築シリーズ

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